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点字民報 2022年8月号 通巻674号

2022年8月5日 更新

 目次と主な記事をお知らせします。

目次

8月特集 謂われなき差別 ハンセン病隔離政策 藤野喜子(東京都)
視覚障害者の投票における不適正事例 第26回参議院議員通常選挙
新しいお札の特徴 楠田房雄(埼玉県)
天海裁判第5回口頭弁論 上村宏則(千葉県)
連載 見えない子たちとともに5 同じ人間なのに 江口美和子
総務局コーナー
 1 活動記録 
 2 頒布会 
全国と地域の主な予定

(目次、終わり)

主な記事

新しいお札の特徴

楠田房雄(埼玉県)

 財務省の申し入れにより、24年度の上期中を目途に発行が開始される予定の新しい紙幣を見ることになりました。7月13日に財務省と国立印刷局から3人ずつ計6人が全視協事務所を訪れました。全視協側からは神奈川・埼玉・東京から一人ずつと、総務局の点字使用者の理事4人の計7人が参加しました。

 新紙幣に肖像として描かれる人物は、一万円札は渋沢栄一(しぶさわ えいいち)、五千円札は津田梅子(つだ うめこ)、千円札は北里柴三郎(きたさと しげさぶろう)です。偽造防止の面から視覚的にも複雑な工夫がなされているようですが、ここでは主に触知によって確認できるユニバーサルデザインの特徴を3つ紹介します。

1.識別マーク

 長さ7mmの斜線を横に11本並べたもので、触るとざらざらした長辺が2㎝の平行四辺形です。これが表側に1対あります。一万円札は両端の短い辺の中央に、五千円札は長い辺の中央付近(上下でややズレている)に、千円札は右上と左下の隅にそれぞれ配置されています。

2.ホログラム

 触るとすべすべした感触で、これが一万円札は左の識別マークの内側に、五千円札はさらに中央寄りに、1cmほどの幅で縦に設けられています。千円札では、左下の識別マークの傍にあり、8角形を軽く押しつぶしたような形です。

3.額面数字の大型化

 額面数字がこれまでよりも大きく両面にアラビア数字で書かれており、弱視にも判りやすくなったようです。数字まで判断するのは難しいですが、裏面の左寄りに触っても確認できます。

 感想ですが、新しい状態では確認できても、古くなって皺が寄ったお札でどの程度判断できるかは不明です。短辺の幅を札ごとに変えることについては、自販機が普及した今では難しいとのことで、サイズはこれまでと同じです。

(この稿、終わり)

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