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点字民報 2022年7月号 通巻673号

2022年7月5日 更新

 目次と主な記事をお知らせします。

目次

北国通信(上) 嵯峨野新次(東京都)
重度障害者等就労支援特別事業 実際に使い始めました 宇仁菅一郎(兵庫県)
全視協全国委員会・社員総会を開催
オンラインで全視協女性部大会開催
「あはき運動通信」は「病マ連あはき運動通信」として再出発します 病マ連役員 東郷 進
生活保護裁判東京地裁原告勝訴
踏切事故への国の対応と全視協の取り組み 全視協まちづくり委員会
連載 見えない子たちとともに④ 江口美和子
 「負傷兵 うめき叫んだ ガラビ壕 今考えても 恐ろしきこと」内緒の沖縄旅行
総務局コーナー
 1 選挙
 2 署名のお願い
 3 頒布会
全国と地域の主な予定

(目次、終わり)

主な記事

踏切事故への国の対応と全視協の取り組み

全視協まちづくり委員会

4月25日夕、大和郡山市西岡町の近鉄橿原線の踏切で起きた視覚障害女性の死亡事故を受けて、全視協まちづくり委員会は、国土交通省から説明を受けるとともに、東京の目黒線奥沢駅近くの踏切に整備されている点字ブロックを点検しました。

事故の状況と国の対策

山城完治

 事故現場は、踏切の線路が南北に走り道路が東西に交差しており、列車は左側通行で南から時速80キロで近づいてきていました。事故に遭った方は、西側から踏切に入ったものの、その最中に踏切が締り、列車の反対車線に立ち止まった後に列車の通る側に動いてしまったようです。運転士は、200メートル手前で見つけて急いでブレーキをかけたり、警笛を鳴らしたりして対応したということですが、事故は防げませんでした。

 事故防止対策の主なものとして国交省は、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」に、①遮断機の手前に視覚障害者誘導用ブロックを設置し、踏切の注意喚起を行うことを「標準的な整備内容」に位置づける。②鉄道事業者と連携し、視覚障害者が車道や線路に誤って進入することを防ぐとともに踏切外にいると誤認することを回避するため「表面に凹凸のついた誘導表示等」(歩道に設置する視覚障害者誘導用ブロックとは異なる形式のもの)を設置することを「望ましい整備内容」に位置づけることを6月9日に自治体に通知しました。

 なお、「標準的な整備内容」とは、整備の位置づけが道路移動等円滑化基準に基づく整備に次ぐもので、整備をお勧めする程度のものです。また、「望ましい整備内容」は、「標準的整備内容」よりも低い位置づけです。

 事故後40日余でガイドラインを見直した国交省の素早い対応は評価するものの、命に直結する場所であることを考えれば、遮断機の外も中も、道路移動等円滑化基準に基づく整備にすべきでした。

踏切の点検

松川正則

 私たちは6月5日に、遮断機の内外に点字ブロックが設置されている都内唯一の東急目黒線奥沢駅近くの踏切を点検しました。

 奥沢駅は相対式ホームの地上駅ですが、南口改札(田園調布側)は上り下り線との行き来ができないため、反対側のホームに行くには改札外の踏切を利用します。南口下り線改札口から駅前広場を通り、踏切を渡り、反対側の上り南口改札までを点検しました。

 踏切の手前までは誘導ブロックに沿って歩くと、遮断機手前に警告ブロックがあります。そのまま進むと若干の隙間の先に踏切内の誘導ブロックがあります。

 線路を3本越えると再び若干の隙間があり、遮断機を通過すると警告ブロックがあり、道路の誘導ブロックとなります。そのまま上り線南口改札に分岐する方向へ向かうと改札口となります。

 わかったのは、奥沢のように踏切の内側を誘導するための設備として道路と同じ素材の誘導ブロックを使うと、遮断機の外側と踏切内の部分を誤認するおそれがあります。それを明確にするために私たちは、道路の誘導ブロックとは違う材質や形状のエスコートゾーンで、歩く方向に垂直な線の入ったタイプの方が良いと考えました。

(この稿、終わり)

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