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点字民報 2021年6月号 通巻660号

2021年6月1日 更新

 目次と主な記事をお知らせします。

目次

天海訴訟 千葉地裁不当判決に断固抗議
  障全協会長 新井たかね
控訴して闘う決意固める 上村宏則(千葉)
未来に向かって羽ばたこう! 奈良守る会結成50周年記念の集い
  島田陽子(奈良)
国民投票法改定案と改憲 視覚障害者9条の会代表 入江正俊
有料道路割引が改善の方向 山城完治(東京)
「毎日新聞」に投稿しました 藤原義朗(高知)
新入会員
 角谷美咲さん(神奈川)
 望月優さん(東京)
連載 愛すべきスペイン(2)スペインの日常から見えた世界
   嵯峨野新次(東京)
総務局コーナー
 1 事務所外装工事カンパ
 2 頒布会 
全視協ハイライト-全視協と友好団体・関係裁判の主な予定

(目次、終わり)

主な記事

未来に向かって羽ばたこう! 奈良守る会結成50周年記念の集い

島田陽子(奈良)

 21年4月11日(日)、会結成50周年記念50回文化のつどいを「やまと郡山城ホール」の小ホールで開催しました。

 コロナ禍の中、開催するかどうか随分悩みましたが、記念すべき日は、今しかないと開催を決断しました。当初は、来賓をお招きし、祝賀会も行う予定でしたが、残念ながら、規模を縮小しての開催となりました。それでも、会員をはじめ、他団体や関西の守る会から80名あまりの出席を得て、開催することができました。

 第一部は記念講演で「ともにたどる戦争、ともにめざす平和」と題して講師は岸博実氏です。岸先生は49年生まれ現在京都府立盲学校の非常勤講師、12年10月から日本盲教育史研究会事務局長。20年本間一夫文化賞を受賞しています。

 「目の見えない子に、兵隊さん、たくさん殺してください」と書かせた時代がありました。あの戦争のころ、視覚障害者が経験したことを、4つの側面から掘り下げて説明してくれました。そして、「ともに求める平和」の大切さを訴えてくれました。

 4つの側面では①視覚障害者への偏見・差別・排除の側面があったこと、②被害・被災の側面として疎開、空襲のようす、③翼賛・動員・加担の側面では零戦・日本盲人号の献納運動、産業戦士の肩もみ、海軍技療手、木工・金工・縫工の奉仕、鉄工所に出動などです。④反戦の側面ではプロレタリア音楽同盟など反戦運動もたくさんあったことです。

 第2部は記念コンサートでテノール歌手の茶木敏行、ピアノは綿貫洋子さんです。

 茶木敏行さんは京都府立盲学校、関西二期会での活躍を経て、ドイツ、スイス、ロシアなどでの多くのオペラ、コンサートへの出演。世界的歌曲伴奏者のチャールズ・スペンサー氏とのドイツ歌曲によるリサイタルをいずみホールにて何度も開催しています。現在は全盲になっていますが、自分の生い立ちに触れながらのすばらしい演奏でした。

 1部・2部とも本当にすばらしいものでした、との参加者からの声を聞きながら、主催者としてやってよかったとほっとしています。

 71年1月に発足した当会は、50年という半世紀を歩んできました。会員の声を、関係機関との架け橋にと、活動してきました。今では当たり前のように普及してきた音響式信号機や点字ブロックは、奈良県にはまだありませんでした。1987年奈良市において、放置自転車条例に「点字ブロック上に」という一文を入れさせたことは、画期的な成果でした。奈良県職員採用試験の点字受験・南都銀行の10日に1度の点字明細の発行など、地道な活動がたくさん実りました。それは、奈良県・近鉄・奈良交通バス・南都銀行など、生活に密着した関係機関と継続して話し合いをしてきた結果と思っています。

 守る会は、多くの仲間と団体に支えられて今日を迎えることができました。これからも会員の声を大切にし、視覚障害者の生活の向上を求めて活動を進めていきます。

(この稿、終わり)

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