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安倍元首相の国葬に強く反対します

2022年7月29日 更新

2022年7月29日 全日本視覚障害者協議会(全視協)理事会

【声明】安倍元首相の国葬を閣議決定、民主主義に反する暴挙に強く反対します

 7月8日、安倍元首相は銃弾に倒れ帰らぬ人となりました。全視協は深く哀悼の意を表します。また、個人の尊厳を否定する暴力を絶対に許しません。

 岸田首相は7月22日に閣議決定で、安倍元首相の国葬を9月27日に行なうことを決め、費用は国費で賄うこととしました。国葬を行なうに値する理由は「憲政史上最長の8年8ヵ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力で…内閣総理大臣の重責を担った」「東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残された」「その御功績は誠にすばらしいものがある」というものです。この評価は、私たちとは全く異なるものです。オリンピックを日本に誘致する時に何と言いましたか?「東日本大震災は解決しています」と全世界に大嘘をついたのですよ。

 安倍政権は、2017年の「モリカケ問題」、2018年の「イラク日報問題」、2019年の「毎月勤労統計不正問題」「桜を見る会問題」「IR汚職問題」、2020年の「東京高等検察庁検事長定年延長問題」など、様々な問題を虚偽とごまかしで隠蔽し、国家を私物化してきました。

 また、2015年9月19日の安保関連法を強引に成立させた時のことは忘れてはなりません。大勢の市民が雨の中、叫び続けた声を、怒りを、悲しみを、無視し続けたのです。

 「国葬」は、国民の中で評価が分かれている安倍氏の政治的立場や政治姿勢を全面的に公認し、国家として安倍政治を賛美・礼賛することになります。また、安倍元首相に対する弔意を、国民に対して事実上強制することにつながる憲法問題です。

 戦後、国費を使って国葬を行なったのは、1967年の吉田茂氏だけです。その後、国葬を行なうための何らかの基準を作らなければと国会で議論はされましたが、未だに法的根拠はないのです。できなかったのです。ないからと、閣議決定で強引に決めることは民主主義に反する暴挙としか言えません。

 全視協は、国費を使って、安倍元首相の国葬を行なうことに強く反対します。