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第22回鉄道死傷事故ゼロの日

2021年2月1日 更新

2021年2月1日
一般社団法人 全日本視覚障害者協議会

落ちないホーム早く

 視覚障害者の駅ホームからの転落事故は後を絶ちません。2010年からこれまでに20人が、昨年だけでも4人が命を失っています。

鉄道死傷事故ゼロの日とは

 1973年2月1日に、全盲の上野孝司さんが、東京・山手線高田馬場駅ホームから転落し、電車に轢かれて死亡した日を記念して全視協が提唱しています。遺族が国鉄(当時)を訴えた裁判では、視覚障害者と国鉄労働者の大きな運動が起こり、点字ブロック普及の原動力となりました。事故から40年後の2013年12月21日、JR高田馬場駅についに可動式ホーム柵が整備されるなど、徐々にではありますが対策が進んでいます。

運動が駅を変える

 国と鉄道事業者などへの視覚障害者の運動と世論の後押しで、バリアフリー法が整備され、2020年3月末現在で858駅(下記資料参照)に可動柵が整備されています。しかし、同省のまとめによれば、2019年度に5件の死亡を含む66件の事故が起きており、6日に1件の状況です。

可動柵整備、ホーム要員増やせ

 落ちないホームの実現は、まだまだこれからです。可動柵の整備といっても大都市圏だけ。国と鉄道事業者は、視覚障害者に対する声かけや誘導を進めるとしていますが、駅員を減らし、モニターやインターフォンで対応する駅遠隔操作システムが導入され、係員のいない駅は全国平均で48.2%に上っています。

 落ちない駅ホームの実現のため、「国の責任で全ての駅に可動柵を」「駅要員の増員を」。駅利用者の声と運動をいっそう大きくしていきましょう。

(資料)ホームドア設置駅数の推移

(この稿、終わり)