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点字民報 2022年8月号 通巻674号

2022年9月5日 更新

 目次と主な記事をお知らせします。

目次

9月特集 新型コロナ禍での私の職場
 いつまで振り回されるのか 松崎千代一(大阪府)
 「余所者見たらコロナと思え」の田舎町 香川 豊(福岡県)
 自分が感染源にならないように 加藤 厚実(東京都)
新入会員 秋元美宙さん(東京都)
北国通信(下) 嵯峨野新次(東京都)
連載 見えない子たちとともに6 生きていると感じられる日々 江口美和子
総務局コーナー
 1 全視協事務所賃貸継続
 2 署名
全国と地域の主な予定

(目次、終わり)

主な記事

北国通信(下)

嵯峨野新次(東京都)

 僕は、6月10日から7月13日まで北海道旅行をしました。『点民』月刊7月号にその旅行記の前半を掲載させていただきました。今回はその後半です。

選挙も旅先で

 東京を出発する少し前に区の選挙管理委員会に行きました。参議院選挙の公示前から北海道に行き、7月10日の投票日も帰って来ないことを告げると、不在者投票の手続きを教えてくれました。

 障害者手帳を見せて北海道の滞在先ホテル名を伝えました。「予定通り7月10日に選挙が決まった場合、ホテルに選挙に必要なものを送ります」とのことでした。

 公示後にホテルにメール便が届きました。7月7日に開封しホテルの人に見ていただきました。要約すると、投票用紙が入っている封筒は開封厳禁、選挙は7月9日までにすることが分かりました。

 電話で投票所の住所と行き方を聞いて、直ぐにタクシーで会場の札幌市役所の玄関ホールに向かいました。運転手さんが総合案内まで手引きをしてくれて、受付の人に何度も選挙だと念を押してくれました。

 書類一式を見せると、開封厳禁の封筒を開いて「生年月日を昭和で言ってください」と。答えると「それでは投票してください」と言いました。

 僕は代理投票で選挙をしました。

 東京の立候補者は30人以上もいて、最初は立候補者の氏名、政党名、略歴を読んでもらおうとお願いしたのですが、途中で止めてもらい、決めていた人に投票しました。係の女性に書いてもらい、男性が現れて、投票用紙に書いてもらった名前を読んで確認しました。この作業を比例代表選挙でも行ない、二重の封筒に入れて作業は完了しました。たったこれだけなのに、随分と時間がかかってしまいました。

 また、「私はここまでです」と玄関の階段の上までしか送ってくれませんでした。行くときのタクシーの運転手さんとは大きな違いを感じました。このことでも、どっと疲れてしまいました。

コインランドリーとカラス

 家内が札幌にいる間にコインランドリーの場所を教わる時間がなく、困り、札幌の社会福祉協議会に連絡をし援助してもらえないか相談しました。

 そこで、「ステッキ」というボランティア団体を紹介されたので、道順を教えてもらうために来てもらうことにしました。コインランドリーの使い方は見えなくても簡単に操作ができます。終わるまでは1時間ほど、その間はパソコンをしていますからあっという間です。

 ボランティアさんには一度来てもらい、その後はAIKOサポートを利用して何度か通いました。

 AIKOサポートは、損保会社がしているサービスで、スマホのカメラを利用して視覚障害者の目の代わりをします。僕の場合、コインランドリーまでの道案内をしてもらいました。一度は一本道を間違えたこともありますが、便利に使っています。なお、このサービスは有料です。

 ホテルからコインランドリーまでの間に北海道大学の植物園があり、そこにカラスの巣が多くあるとか。僕も狙われたのか、いたずらなのか、頭を足で蹴られました。カラスのタッチアンドゴーと言うそうです。最初は何があったのか分かりませんでした。僕が北海道に行った頃はカラスの子育ての時期で、よくあることだそうです。

 タクシーの運転手さんにお訊きしたら、片手をアンテナのように立てるとやられないとのことでした。

いろんな所を訪ねました

 4つの盲学校を訪問しました。最初は帯広盲学校です。電話して訪問したいと伝えると、「何しにくるの?」というそっけない対応でした。自分は当事者で教育関係者ではないというと態度が変わりました。校長先生は私が通っていた八王子盲学校とも関係があり、話が弾みました。その後、旭川、函館、札幌と北海道の4つの盲学校全てを訪ねることができました。驚いたことに、全校生徒数は、帯広7人、旭川9人、函館11人だそうです。この3校は中学までで、高校からは札幌にくるそうで、生徒は80人とのことでした。

 北海道盲導犬協会にも行きました。北海道の歩道や車道の広さ、雪の中を歩く等、こちらにはない訓練もあるようです。

 そうそう、全視協の社員、北海道視覚障害者協議会の総会にも参加させてもらいました。近々結成30年を迎えるとのことです。総会の後、食事会(飲み会?)にも楽しくご一緒させてもらいました。

 その他、独りのレストランでの食事、旭川ラーメンの美味しかったこと、お世話になった視覚障害者のYさんとそのお友達とのスナックでのおしゃべり、新しい出会いの数々、至福の時でした。

無事に帰ってきました

 最終日の朝、早めに起きて荷物の整理をし、忘れ物を確認してもらうためにフロントに電話。案の定靴下が2つ丸まっていました。視覚障害者は必ず確認してもらった方が良いと思いました。

 もう慣れた道をカラスに気を付けながらゆっくりと、私としては急いで歩きました。JR、空港、東京でのバス、リレー方式で何の苦労もなく家に到着できました。

 バスで一緒に降りたおじいさんは私の家まで送ってくれ、多少疲れていた僕にとっては本当に有り難いことでした。

 多くの人に助けられて、100人以上の方に声をかけてもらったでしょうか。とてもびっくり、新鮮だったのは80歳くらいのおばあちゃんと地下街を歩いていると、「あんたと歩いていると楽だわ!」「何がですか?」「皆がよけてくれるのよ!」と嬉しそうにデパートまで送ってくれたことでした。

 「嵯峨野さんはよく旅行に行くけれど、お金持ちなの?」とよく聞かれます。僕たち夫婦には子どもがいません。計画どおりにはいかないとは思うのですが、だいたいこの年までは生きるだろうからそれまでに使い切ってしまおうということなんです。もしどうしてもお金が必要になったら渋谷にある家を売ればいいと、だからお金持ちという訳ではありません。

 さて次はどこにいきましょうか。

(この稿、終わり)

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