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点字民報 2022年5月号 通巻671号

2022年5月5日 更新

 目次と主な記事をお知らせします。

目次

今一段と輝き増す憲法9条を守り育てよう 石川絹代(神奈川)
 感想  久保弘樹(福岡)
 感想  白川香織(神奈川)
女性部大会をオンラインで開催します!
事業復活支援金30万円もらいました 松本康寿(埼玉)
対策本部の会計報告と解散
障全協第56回総会・中央行動 田中章治(東京)
交通事故判定に視覚障害者無視 山城完治(東京)
連載 見えない子たちとともに② 江口美和子
 「100冊の本を読むぞ!」にトライ
総務局コーナー
 1 青い鳥葉書配布中
 2 頒布会
全国と地域の主な予定

(目次、終わり)

主な記事

交通事故判定に視覚障害者無視

山城完治(東京)

要請の経過

 手をつなごう全ての視覚障害者全国集会(手をつなごう集会)の1月31日の警察庁への要請で、2021年の視覚障害者の交通事故の情報を示してほしいという要望の回答から以下のことがわかりました。

 ①11月末時点で14件あり、うち死亡が2件であった。②死亡事故である2件とも、白杖を所持している視覚障害者が事故の第1当事者となっている。③事故の際の過失割合が大きい方を第1当事者、小さい方を第2当事者としている。④死亡2件のうち1件は道路横断中で、もう1件は踏切内で電車にはねられたものである。⑤横断中の死亡事故は、音響式信号機が鳴動していない時に発生していることです。

 信号に音がなければ、特に全盲者には、青なのか赤なのかはわかりません。2018年12月7日の早朝に、全視協事務所の最寄駅である駒込駅前の本郷通りで、視覚障害者が車にはねられて死亡しており、この方も第1当事者になっているのではないかと想像されます。

再び要請

 そこで4月18日に、信号に音がない所で起きた事故なのになぜ視覚障害者が第1当事者にされてしまうのか、法的根拠、誰が判定するのか、第1当事者になった場合に損害賠償などに不利益はないか、12件の事故事例が第1当事者になっていないかなどを質問・要望にまとめて警察庁に再度要請しました。

 警察庁は、20人が参加したこの会議で、交通事故を捜査してその結果を交通事故統計原票にまとめており、赤信号で渡ったことは認定するが、視覚障害者が信号が見えないことはまったく考慮しない。私たちが提示した事例のいわゆる当事者性については、答えを拒否。また、この判定は、損害賠償等には無関係と答えました。

 この要請で思い出したことがあります。信号が見えない弱視である私が、豊島区役所近くの交差点で、同じ方向に進む車が動き出したので渡ったら向こう岸に人が立っていました。信号無視しちゃったな。いやいや、私は無視していない。無視しているのは警察の方だ、と気が付きました。

 障害者の平等と社会参加推進の国際的な風は、交通事故統計原票とその捜査には吹いていないようです。音響式信号機増設をはじめとする安全な道路横断を実現するためにも、この問題に取り組んでいきたいと思います。

(この稿、終わり)

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